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「人生とは何か」って考えさせられたよいやー、凄まじい映画だったなあ、『潜水服は蝶の夢を見る』。ELLEの編集長ジャン=ドミニク・ボビーの自伝を映画化した作品なんだけど、人間の浅さについて深く考えさせられたよ。 主人公のジャンは突然、倒れて、意識を取り戻した時には、まぶたと眼球以外、動かせない状態になっていたんだよね。でも、意識だけははっきりしている。コミュニケーションの方法はただひとつ。看護婦さんがアルファベットを読み上げていって、瞬きで合図を送って、自分が言いたい言葉を組み立てていくんだよ。そういう状態の中で本を書き上げたというから凄いよね。執念というか編集者・ライターとしての職業意識というか。 で、ジャンは病気になって、人として生きることとはどういうことかを知るんだよね。他者がいかに自分を支えてきたのかということや家族の存在がいかに大きかったかとか自分の本音とは何かということまで、すべてわかってしまうんだ。 でもね、逆に言うと、ここまで大変な状態にならないと、人間は何も見出せないっていうことなんだよね。普段はさ、現実と向き合おうとか、偉そうなことを言ってるわけだけど、じゃ生きることをきちんと対象化できてるかって問われたら、やっぱりできてないんだよ。その対象化できてないっていう認識すらなくて、のうのうと「普通に」暮らしているんだよね。人の底の浅さっていうか、愚かさをジャンに突きつけられた気がしたね。こんなもんだよ、人間なんてってね。 今もこうやって熱く語ってるわけだけどさ、でものど元過ぎれば何とかでさ、この映画のこともいつしか忘れてしまうんだよね。それでまた何食わぬ顔をして普通に暮らし始める。オレたちなんて、ほんとちゃんちゃらおかしい存在なんだなあって思ったよ。 まあ、それだけジュリアン・シュナベール監督の演出が鬼気迫っていたってことなんだろうけどね。この映画は、カンヌで監督賞を受賞。アカデミー賞でも監督賞にノミネートされているんだよね。まあ、納得のノミネートだよね。 『潜水服は蝶の夢を見る』 |
2008.02.14 SKUNK(スカンク) SKUNK(スカンク) Profile |